新築分譲マンション販売における集客課題と、その打ち手とは?
公開日
2025.12.03
新築分譲マンションの販売に際して、これまで使用されてきた販売モデルでは通用しなくなってきています。
立地やブランドだけで集客できた時代は過去のものとなっており、とりあえず広告を打てば反響が取れるといったことはありません。
特に近年は、消費者が情報を収集する行動が大きく変化しています。
では、今求められている販売戦略や成果を出している企業が用いている方法はどのようなものなのでしょうか。
本記事では、新築分譲マンションの販売において直面している集客課題と、それを乗り越えるための最新手法について解説します。
2025年以降の販売戦略を見直したい不動産営業・マーケティング担当の方は、ぜひご覧ください。
「売れて当たり前」の時代は終わった
新築分譲マンション販売を取り巻く環境は、年々厳しさを増しています。
その背景にあるのは、少子高齢化と地域毎の人口減少です。
購入を検討する層の中心である30〜40代の人口が減少するなかで、地域によってはマンションが供給過多の状態にもなってきています。
さらに、住宅ローン控除(減税)制度の見直しなども、マンション購入に悪影響を与えています。
税制優遇の魅力が以前より弱まって「今買わなければ損」という意識が薄れた結果、消費者の購入判断はより慎重になっています。
もう1つの大きな変化は、購入検討者の情報収集行動がリアルからデジタルへと移行している点です。
SUUMOなどのポータルサイトをはじめ、InstagramやYouTube、X(旧Twitter)といったSNS上で口コミやレビュー動画をチェックし、自ら情報を比較・選別してから問い合わせに至るという流れが定着しつつあります。
そのため、従来の対面中心の営業だけでは反響が減り、来場率や成約率も思うように伸びないという課題に直面する企業が増えているのです。

成果を出している不動産会社が実践している販売手法とは
新築分譲マンションの販売が難しくなるなかでも、成果を上げている企業もあります。
成功している企業が取り組んでいる販売手法を4つ紹介します。
オンライン接客・Web接客ツールの活用
まず挙げられるのは、オンライン接客・Web接客ツールの活用です。
成功している企業は、コロナ禍をきっかけに普及したZoomやオンラインでの商談を、標準の営業・接客手法として採用しています。
これに伴い、物件の魅力を伝える手法も進化しています。
写真だけでなく動画や3Dを活用したプレゼンテーションが主流となりつつあり、CG動画やVR内覧を活用した疑似体験型の提案で、来場・成約を獲得しているのです。
購買行動データに基づくパーソナライズ営業
次に挙げられるのが、購買行動データに基づいてパーソナライズされた営業です。
たとえば、顧客がWebサイトで閲覧した物件ページや、広告のクリック履歴などをもとに、パーソナライズされた後追い営業を行う手法が一般化しつつあります。
テンプレート化された営業ではなく、行動履歴に基づいた提案により、検討者の反応を引き出しているのです。
シナリオ設計型のMA(マーケティングオートメーション)
MA(マーケティングオートメーション)を活用したシナリオ設計型の営業プロセスも重要です。
たとえば、資料請求後に即座にメールを送り、数日後に来場予約を促すコンテンツを送るというように、段階毎の接点を設計することで、問い合わせから成約までの導線を最適化できます。
最適なタイミングでフェーズ毎の営業をかけることで、購入検討者を取りこぼすことが少なくなっています。
SNS・YouTube・LINEによる継続的な接点創出
SNSやYouTube、LINE公式アカウントなどを使った継続的な接点の創出も欠かせません。
たとえば、日常的に役立つ情報や物件の裏話を発信することで、フォロワーとの関係性を築き、最終的な来場や申込につなげる動線を整えています。
上記4つの手法は「顧客の検討フェーズに応じた情報提供」と「タイミングの見極め」を軸とした戦略です。
反響を多く獲得するのではなく、確実に検討フェーズに進んでもらうための営業スタイルが、主流となってきています。

データ活用による「売れる仕組み」の構築
単発的な施策ではなく、再現性のある「売れる仕組み」を構築するためには、営業やマーケティングにデータを正しい形で活用することが不可欠です。
勘や経験に頼った販売手法ではなく、データに基づいてPDCAを回していきましょう。
では、具体的にどのようなデータを取るべきなのでしょうか。
どんなデータを取るべきか
まず重要なのが、アクセスログや広告反応、接客履歴といった顧客の行動データです。
たとえば、Webサイトのどのページが長く閲覧されているか、どの広告クリエイティブがクリックされているか、といった細かな記録が大切です。
これらのデータは、施策の仮説検証時に活用できます。
営業活動を"見える化"
次に取り組むべきは、営業活動の「見える化」です。
営業担当者毎の活動記録やアプローチ履歴、成約までのリードタイムなどをCRMやSFAに蓄積し、チーム全体で情報を共有・分析します。
複数のデータを統合し、数値ベースで成果分析や改善ポイントを把握することがおすすめです。
これにより、営業戦略や広告施策を数値で判断できるようになり、再現性のある「売れる仕組み」の構築が可能となります。
販売初期の戦略をチューニング
データをもとに施策を考え実行するだけでなく、継続的に販売初期の戦略をチューニングすることが大切です。
成果が出ている企業ほど「施策のどの部分に問題があるのか」を可視化し「どうすれば改善できるか」を数字から分析する体制が整っています。
打った施策によって出てきた新しい数値も取り入れつつ、最新の市場環境にあわせて、戦略を変えていくことも大切です。
まとめ
新築分譲マンションは、もう「自然に売れる」時代ではありません。
少子高齢化や住宅ローン控除制度の変更、顧客行動の変化といった要因により、従来の営業スタイルだけでは成果が出にくくなっています。
そのなかで成果を出している不動産会社は、「接点のデジタル化」と「営業のパーソナライズ化」「データドリブンな戦略」などを積極的に取り入れています。
これからのマンション販売においては、「誰にどのように情報を届けるか」がより重要になっていくでしょう。
ターゲット層に正確な情報を届けるためには、位置情報データを活用した戦略設計が不可欠です。
弊社では「位置情報×動画」を活用した「GEO-DAM」というデジタルエリアマーケティングサービスを提供しています。
従来のマーケティング手法を見直したい・新しい方法を取り入れたい方は、ぜひ一度弊社にご相談ください。