人流データとは?取得方法や活用例について解説
公開日
2025.02.03
本記事では、人流データの取得方法から実際の活用例を解説します。
人流データはマーケティングにも活用できますが、取得方法毎の違いや活用方法を知らないと、思うような成果を得ることは難しいでしょう。
人流データを活用して成果を上げたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
CONTENTS
人流データとは
「人流」とは、人が別の場所へ移動する動きのことを指します。そして「人流データ」とは、そういった人々の移動や滞在状況を数値化したものです。
人流データを取得して分析することで、どのように人々が移動しているのか、特定の地域や時間帯にどの程度の人の流れがあるのかを把握できます。
既に都市計画やマーケティング・災害対策など、さまざまな分野で活用されており、今後もほかの場面での活用が期待されているデータです。
人流データの例
国土交通省は、2019年1月から2021年12月までの広域な人流データをオープンデータとして公開しています。
(参考:国土交通省「地理空間情報」)
オープンデータを活用して地域や時間帯毎に表示することで、どのような変化があったのかを視覚的に把握することが可能です。
また、データをダウンロードして独自の視点から分析することで、さまざまな分野に活用できるでしょう。
人流データは、国土交通省が公開しているもののほかにも、研究機関から無料で公開されているものや、人流解析ツールとして提供されているものなどがあります。
ツールを利用すれば、リアルタイムでの人流把握や過去のデータ分析なども簡単に可能です。
主な人流データの取得方法
人流データの取得は、主に4つの方法で行われています。
- GPS
- Wi-Fi
- ビーコン
- 携帯電話基地局
それぞれの取得方法や特徴を見ていきましょう。
GPS
GPS(Global Positioning System)は、人工衛星からの電波を受けることで、位置情報を取得できるシステムです。
スマートフォンやカーナビなど、普段利用しているデバイスに組み込まれており、高精度な位置情報を取得できます。
しかし、位置情報設定をOFFにしているユーザーのデータは、取得できないといったデメリットがあります。
Wi-Fi
街中に設置されているWi-Fiからも人流データを取得できます。
Wi-Fiに接続された端末の情報を収集することで、その場所での滞在状況を把握可能です。
特定のエリアの人流について分析したい場合に、とても有用な取得方法です。
ビーコン
ビーコンとは、Bluetooth技術を使用した小型の発信機です。
一定間隔で情報を発信しており、受信機能を持つ端末が半径数10メートルといった範囲に入ると、受信情報からユーザーがその場所に来たことを感知できます。
近距離の通信に優れており、特定の範囲内にいる人の動きをリアルタイムで追跡できる点が大きな特徴です。
携帯電話基地局
携帯電話基地局は全国さまざまな場所に設置されており、広範囲の人流データを取得する際に適している方法です。
不具合などがなく、電波が繋がっている限り、24時間365日データを取得できます。
GPSに比べると精度は劣るものの、大まかな人流を把握する際にとても有用です。
人流データの活用例
人流データを実際に活用している事例を2つ紹介します。
- マーケティング
- まちづくり
それぞれの分野でデータがどのように活用されているのか、詳しく見ていきましょう。
マーケティング
さまざまな店舗が入っている大型商業施設では、店舗配置や商品陳列に人流データを活用できます。
来場者がどのように施設を回遊して消費行動をしているのかを正確に把握できれば、消費行動をさらに促進できる店舗配置を実現できます。
実際に、ある大型商業施設では、AI映像監視システムと人流データを活用して、来場者の属性や回遊導線を分析し、新しい店舗誘致に役立てているようです。
販売促進にも役立っており、人流データを適切に活用した成功事例です。
まちづくり
人流データを、まちづくりの構想に活用している事例があります。
未来の都市計画として「スマートシティ」の構想を行う際には、自動運転やエネルギーマネジメントの導入などについての議論が欠かせないでしょう。
自動運転が公共交通機関やタクシーの運転手にどのような影響を与えるのか、実現前の状態では想像の域を出ることができません。
しかし、人流データを活用すれば、高精度なデータから導入効果を定量的に測定可能です。
また、人流構成を細かく分析することで、バスの運行ルートの最適化などにも活用されています。
渋滞緩和や運行距離の削減などを実現することで、人流データの活用でCO2削減なども実現できるのです。
まとめ
人流データは、エリア間の人の移動や滞在状況を数値化したものです。
人流データを活用することで、特定エリアでの人の流れや消費行動を分析できるため、マーケティングにも活かすことができます。
しかし、人流データの活用で成果を出すためには、データの活用方法や収集方法による違いを正確に理解しておかなければなりません。
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